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希望の行方14

心の奥にくすぶるように、嫌な予感がしていたのだ。
伝言を届けるためにフェルゼン伯の後を追ったアンドレは、すぐに戻るつもりであった。
だが伯爵の足にようやく追いついてみると、以前にル・ルーと共に暴徒から救ってもらったお礼を述べることを避けることができず、また伯爵の方からもアンドレに対して幾つか話があるようであった。
「伯爵、その節はありがとうございました。」
改めて頭を下げるアンドレに、鷹揚にうなずくフェルゼンであったが、続けて何か言おうとして口ごもる。オスカル同様、はっきりとした態度をとる彼には珍しいことであった。
「・・・何か気にかかることでも、伯爵?」
「いや、オスカルのことなのだが・・」
伯爵は歯切れ悪く言った。
「なぜ近衛を辞めたのかと思ってね。こう言っては悪いが、女の身で衛兵隊務めは何かと辛いのではないのかい?」
「・・・ええ。」
迷った末に、アンドレは肯定する。オスカルの片恋であったこととは別に、伯爵ほど純粋な友情を彼女に向けてくれる貴族は他にはいない。ましてアンドレ自身、彼に二度も命を救ってもらっていた。
「かなりの反抗心を持たれています。しかしオスカルは、その一つ一つに立ち向かっております。どうしてここまでできるのかと思うほど健気に。ですが・・彼らにはなかなか通じません。」
ふいに出たアンドレの弱気であった。
緊張の日々の中、彼も疲れていたのである。常にオスカルに付き添う彼は、彼女が仮眠をとる時にも眠らずに待機していた。常に耳をそばだて、良からぬことを考える連中の気配がないか警戒を怠らずに。それは空をいつ雨雲が覆うかを待つようなもので、心配に切りがなかったのだ。
フェルゼン伯の顔もゆがんだ。
「どうしてそのような苦労を・・。私には、やはり理解できないのかもしれない。あのように美しい女性として生を受けたというのに・・どうしてオスカルは自ら苦労する道を選んだのだ・・いたわしくて堪らないのだ・・」
「・・伯爵?」
アンドレは彼の様子に違和感を感じた。
だが。
幾つかの記憶が、心の中で暗くうごめく。
まずオスカルが生まれて初めてドレスを身に着けた夜のこと。
次に自分が彼女のブラウスを破った日、彼女と伯爵の間に何かあったのではと感じたこと。
そして・・先ほど交わされた二人の視線。
オスカルと伯爵にしか分からない何かが含まれていた。深い感情を交わし合ったようだった。
「・・・伯爵・・」
聞いてはなるまい、と分かりながらアンドレは尋ねる。愛する女性の何もかもを知りたいという、男の欲であったのかもしれない。
「オスカルと・・・何かおありだったのでしょうか?」
「ああ。」
意外にも明るく伯爵は笑う。しかしその笑いはすぐさま憂いに取って代わる。
「・・・ああ、そうだ。君になら言ってもよいだろう。長い付き合いの君だからね。他の誰にも打ち明けられぬことだ。私は・・オスカルに求婚して、断られたのだよ。」
「え!」
衝撃がアンドレの全身に走った。
とっさには信じがたかった。
だが、目の前の伯爵からは冗談の気配などまるで感じられず、真面目にアンドレの目を見ていた。
「・・・どうして・・・オスカルは断ったのでしょうか・・」
かすれた声が、問うと、伯爵が、分からぬ・・というように首を振る。
「うぬぼれではないが・・・私とオスカルならば友情を越えて、愛情をも育め得ただろう。だがオスカルは、自分にはもう自分の道がある、女の幸せは求めない・・と私に告げたのだ。」
「・・・いつの事でしょうか?」
夜の暗さが、アンドレの血の気の引いた顔を隠していた。その暗さがあるからこそ、伯爵もアンドレに対して打ち明けたのだろう。この偶然の機会が訪れなければ、きっと彼はこのことを墓場まで持っていったに違いなかった。
「そう、あれは・・・王太子殿下がムードンにお移りになった日だったかな。まだフランス衛兵隊に移る前のことだ・・」
そこで伯爵は、笑った。自嘲の響きが含まれている。
「だが、私などと一緒にならずに良かったのだろう。オスカルならば・・もっと良い相手がいるはずだ。そう思うだろう?アンドレ。」
「・・・いえ・・」
言外に、王妃との逢瀬を繰り返していることをほのめかしているのだろう伯爵に、アンドレは辛うじて返事をする。そのアンドレに、伯爵は不意に近づいた。
「頼む、アンドレ。」
彼の強い声がした。
「オスカルを守ってくれ。そして彼女にこう伝えてくれ、女としての幸せを決してあきらめるな、と。」
伯爵は本気だった。心の底からオスカルを案じている。
「はい・・・伯爵。」
アンドレも心の底からの応えを返した。
「私も・・・オスカルの幸せを願っております。微力ながら、ずっとオスカルを守り続けます。」
そして力強い笑みを残し、伯爵は闇に消えていった。
アンドレは複雑な思いに深い息を吐きながら、守ります・・と伯爵の後ろ姿に告げた。
なのに。
なのに・・・!
走って戻った場所に、彼女の姿はなかった。
まだこの時は、ただの不安でしかなかった。
思いがけず伯爵と話し込んでしまった彼に焦れて、オスカルは先に歩を進めてしまったのかもしれないだけかと。
だが、地面に残った痕跡を見つけたアンドレは、たちまち半狂乱になった。
そこには・・・無理やり人を引きずったような不自然な跡が、あった。
場を離れる時には、そんなものはなかった。
「オスカル!」
アンドレは絶叫した。
狂いそうだ、いや、狂ってしまったと心が叫んだ。
彼女は、誰かに連れ去られたのだ。
「どこだ、オスカル!」
引きずったような跡は、茂みの中に引き込まれるように消えている。
誰かが力づくで彼女の身体を引きずった証拠である。
・・・誰が、何のために!
アンドレの脳裏には、最悪の事態が破裂せんばかりに浮かぶ。
・・・ああ、オスカル!オスカル!
アンドレは、必死に痕跡を探す。引きずった跡は茂みで消えていた。恐らくここからは、誰かがオスカルの身体を持ち抱えて運んだのだろう。複数の足跡は見つからない。恐らく・・・恐らく二三名、もしくは単独犯だろうとアンドレは狂いそうな頭で判断する。
「ああ、オスカル!」
走りながら彼は震える。
「お前に何かあれば、俺は死ぬぞ!」
どうしてすぐに戻らなかったのか、と自分を責める。彼女一人をこんな場所に残すなど、いくら命令だったとはいえ、決してやってはいけないことだったと。
・・・俺以外、誰がお前を守るんだ!
なぜ、どうして自分はこうも無能なのだと、走りながら彼は自分を責め続けた。
長年想いを寄せたフェルゼン伯からの求婚を断ったオスカル。
何故なのか・・ただでさえアンドレの心の中は暗い疑問でいっぱいだった。
ムードンからの帰りならば、自分がオスカルの純潔を奪ったことを彼女が知る前であろう。しかし、自分がオスカルの身体を奪ったことが彼女の精神に何らかの影響を及ぼしたとも限らない。そして、もしオスカルを抱いた事実がなければ、彼女は自分を愛することもなかったかもしれないのだ。
・・・俺は、俺はお前の本当の幸せを奪ったのかもしれない・・・!
もしフェルゼン伯爵の求婚に彼女が応えていれば、伯爵も恐らく王妃との絶望的な恋を捨てたのだろう、とアンドレは思った。愛する女性が軍服の下にひた隠しにしてきた美しさや清らかさに触れて、そうしない男などこの世に存在するはずがない、と。
・・・地位も名誉も包容力もある伯爵の腕の中にいれば、悲嘆にくれながら未来からやってくることもないだろうに・・!こうして危険にあうことも無かっただろうに・・!
その慙愧が、アンドレの心を蝕んでいく。
自分は体を張って守ることだけしかできぬ男なのに、それすらも叶わないのかとも。
・・・もしお前の身体に指一本でも触れる奴がいれば、殺す!
無事でいてくれ、乱暴などされずにいてくれ、その願いさえば叶えば自分はどうなってもいいと、アンドレは胸に誓う。
走り込んだ詰所には、果たして誰の姿もなかった。
ここには絶えず誰かが詰めていることが義務付けられている。不測の事態が起こった場合のためである。
だが、無人の部屋が逆に不測の事態がすでに起こっていることを告げていた。
「あの野郎ども・・!」
アンドレが吼えた。
夜勤の兵士たちは、別の場所にいる。間違いなくオスカルもまたそこにいる。
「どこだ!どこにいる!」
アンドレは再び走り出した。
恐らく普段人の出入りが無い場所、何が起きても、たとえ一人の女性を嬲り者にしても気づかれないような場所・・。
・・・あそこか!
長らく宮廷に出入りしていたおかげで、思い当たる場所があった。
兵舎の外れの部屋。昼は使用されるが、夜には全く出入りの無い部屋。兵器置き場の続き部屋であった。
それは的中した。
人の気配が隠せぬ扉を蹴り破ると、その光景がアンドレの傷ついた左目に飛び込んできた。
彼女が、オスカルが、兵士たちに囲まれていた。
構えた銃を持つ手に、激しい力がこもる。
オスカルは椅子に座らされ、その前に剣を持ってアランが立っていた。
そして・・・オスカルの軍服の胸元は無残にも引きちぎられていた。
「アンドレ!」
オスカルの顔は血の気を失っていた。
生まれて初めて感じた大きな怒りがこみ上げてくる。
「違うんだ・・・アンドレ!」
立ち上がったオスカルの姿はさらに無残なものであった。胸元の下では辛うじて絹が肌を隠しているが、全身が乱暴に扱われたように乱れている。
「・・このくそったれども、よくも・・」
愛おしい女性に、何をした!何をした!
最後の理性が吹き飛んだ。
「てめえら、全員ぶっころしてやる!」
迷うことなく銃口をアランに向け、発射した。
だが、次の瞬間、思いもかけないことが起きた。
オスカルの金髪がきらめいたかと思うと、それがあたかも盾のようにアランの体を覆い、床に倒れたのだ。
「オスカル・・!」
アンドレの喉から、絶叫が飛び出した。
銃を投げ捨て、倒れた彼女に駆け寄る。
「なぜだ!オスカル!」
ひざまずいて彼女の肩を掴むと、そのまま腕の中に抱きよせる。
「ああ、俺はお前を撃ってしまったのか・・!怪我は?痛むか!」
腕の中の彼女はうめいた。アンドレはその体に怪我はないか、血が流れていないか、必死で確かめる。
「・・・大丈夫だ、アンドレ。」
腕の中で、オスカルは目を開いていた。
「弾は当たってはおらぬ。お前は・・外したのだぞ。・・・この距離で外すとは、幼いころから銃の扱いを教えた私には、情けなくはあるがな。」
そして、フフ、っと笑う。
「だが、肩を打ったようだ。大事はないが起こしてくれないか。」
何事もないように言う彼女に、アンドレは心から安堵した。その姿を前にして、狂った心が急速に落ち着いていく。
「・・・無事なのか?何があった?」
彼女をゆっくりと立たせたアンドレは、周りを見回す。
1班の連中が、その視線に怯える。ほとんど全員が泣き出していた。フランソワなどは両手であふれる涙をぬぐいながら、泣きじゃくっている。
アランは、床に転がっているままであった。恐らくオスカルに体当たりをされて意識が朦朧としているのだろう。軽いうめきがもれていた。
「・・・何があった!」
おそらく首謀者であろう彼には返事が出来ないとみて、泣き出している連中にアンドレは厳しい声をかけた。途端に彼らはますます怯えて泣き出す。
やわらかい手が、怒りに満たされたままのアンドレの肩に触れた。
「・・・彼らを許してやってくれ、アンドレ。」
青い瞳が、ろうそくの灯の中で許しを請うた。
「お前が心配するようなことは何も無かった。少し行き過ぎただけだったのだ。物騒なことはやめてくれ。」
「・・・この姿でか!」
アンドレは、彼女の軍服に目をやる。
「お前に触れたんだろう!こんな姿にしたんだろう!なにが何も無かった、だ!俺は許さないぞ!」
「・・・アンドレ・・」
今までに見たことのない視線を、彼女は向けてきた。
怯えるような、愛おしいような、見知らぬ男を探すような・・。
だが一瞬後には、それは厳しい上司のものになる。
「駄目だ、これは命令だ。アンドレ・グランディエ、彼らに手を出すな。」
「オスカル。」
この命令の下では、彼は従わざるを得ない。もし反発すれば、他の部下へのしめしがつかないのはよく分かっていた。自分こそが率先して命令に従うべきであった。苦いものを飲み下すようにアンドレは黙り、目をつぶる。怒りは、まだ胸の中で燃えていた。ここにいる全員を撃ち殺そうとした殺意は、大きな傷跡をつくり、醜く引き攣れている。この世で最も大事なものを傷つけられようとした彼の絶望を理解できるものなど、この場にはいなかった。
恐らく、この時点では。
「ごめんなさい、隊長!」
「ごめん、アンドレ!」
フランソワがジャンが、皆が口々に言う。
「俺たちが悪いんだ。」
「こんなつもりじゃなかったんだ・・!」
「俺たち、バカだったんだ。」
目をつぶったままのアンドレに、オスカルが言う。今度は優しい口調だった。
「お前の上着を貸してくれ・・・アンドレ。」
開いた目に、ぼやける左目に、オスカルの笑顔が映った。
脱いだ上着を、彼女の肩に掛けると、アンドレはそのまま彼女を抱きしめる。
連中の目など、気にもしなかった。
誰も何も言わなかった。
いつの間にか、床に横たわったままのアランの目も開いていたが、何も言わずに二人を見詰めていた。
オスカルも、彼のしたいままにさせてくれた。自分から腕は回さないが、頭を彼の胸に押し付けている。表情はその胸に隠されている。
アンドレは温かさを確かめるように全身で彼女を感じる。腕の中の彼女は、ひなのように微かに震えていた。女の怯えが恐怖が、まざまざと感じられる。何もなかったはずがないのだ。何も傷つかぬはずがないのだ・・とアンドレは硝煙の匂いの中で哀れに思う。彼女の心の痛みを己が体に移そうと、さらに深く抱きしめた。
その命を確かめるような抱擁は、騒ぎを聞きつけたダグー大佐たちの足音が聞こえて、ようやく解かれる。
身分が、立場が、二人を引き離す。
ダグー大佐に、何でもないと説明するオスカルは、もうアンドレと目を合わさなかった。
足早に部屋を後にする彼女に、黙って彼は付き従う。
夜は更けていた。
月が雲に覆われる。
廊下を進み、屋敷への馬車へと向かう二人の姿には、影すらも寄り添いはしなかった。

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michi・・様

早速のコメントありがとうございます。
そーですねー、オスカルがアランをかばって撃たれるという可能性も皆無ではなかったのですが、当たらなかったですね~
まだこの拉致事件には続きがありますので、怪我をしている暇はなし、です。

アランは完敗でございます。体を張って庇われるし。

まだ続きがありますので、お楽しみに!

萌えどころ満載のお話,ありがとうございました

「君たちになら、私の身体などくれてやる」と,アラン達には啖呵を切っておきながら,アンドレの胸に額を当て震えるオスカル様,うるうるしながら拝読しました。アンドレも,フェルゼンの話から「オスカルの幸せを奪ってしまったのでは…」と自らを苛む辺り,とことん人を愛するとこういう発想に行きつくんだなあ,とあらためて惚れ直したし…。

それにしてもアラン君,初っ端から,アンドレに抱かれるに任せるオスカル様を目の当たりにしちゃって,まあ,かわいそ。その直前,オスカルに庇われて押し倒されたということは,それ相応の身体的接触もあったわけで,きっとドキドキバクバクだったでしょうにね…。いやはや,今回の事件についてのアラン・サイドのお話も,ぜひ期待しております(^^)。

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ぶうとん様

萌えコメントありがとうございます!
私自身でいいますと、書いている間は萌えポイントが果たしてどこにあるのかさえ分からずに突っ走っているので、非常に参考になります。
(心は燃えてますけど)

今回アンドレバージョンでしたが、やはりアンドレ、自分を苛みましたね~
いずれアランサイドからも回想シーンがあると思います。
庇われたからといって、すぐに素直になる男ではないでしょうから、これからもいろいろと楽しみです。
来週死ぬほど忙しいので、今週中に続きをアップしたいですが、できなければ再来週に!

く・・様

はい、フェルゼンが暴露しました。
アンドレが変な風に受け取らなければいいという懸念ですが・・
ふふ、このサイトですよ、言うまでもありませんよ、だってsですから。

拉致事件の余波が続きますが、アランの出番はとりあえず終わりです。
彼に関してはいずれゆっくりと、じわじわと・・

今週中に続きが書ければいいなあ。
期待せずにお待ちください!

No title

原作では、アンドレに抱かれることもなく
「処分は・・・せんっ!!」

という展開でしたが・・・

まるで雛のようにふるふると震えているオスカルと、
ものすごく大事なものを抱きしめているアンドレ・・・

私、もう、萌え萌えです!

「ははうえ・・・」 ではなく、アンドレ・・・!
もう、心の拠り所が変化しているのですね・・・!

ますます楽しみな次回をお待ちしています!(^^)/

いつもありがとうございます!

あんぴか様

はい、原作とはかなり違ってきております。
原作も好きなのですけね~

こんな光景を目の前で見せつけられた第一班も、おのずと言動が違ってくるかもしれません。
そのうち衛兵隊院だけの回などもあるでしょう。

続きをお楽しみに!

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ポ・・様

怒涛のように続きましたが、次回で少し落ち着きます。

アランや1班の連中、ル・ルーにディアンヌ、そしてロザリー夫妻と、登場人物が増えてきましたので、しばらく淡々とストーリーは進むことでしょう・・・(本当かなあ・・)

アランはもう準主役決定。
どんどん登場します。

フェルゼンは・・・まだアンドレとロザリーが「良い仲」だと信じているのでございます。
いずれ誤解が解ける日も来るでしょう。

では、また!
次回はアンドレ切ない編の予定です。
プロフィール

kakonokaori

Author:kakonokaori
「ベルサイユのばら」の二次創作です。個人的な楽しみで執筆しております。原作関係者の方々よりクレームを受けた際には、中止します。お目汚しではございますが、お好きな方はご訪問下さいませ。

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